Tableau Desktop 使い方 関数(6) 〜表計算関数

Tableauでは様々な計算が関数として標準で用意されているので、それらを利用して集計をすることができます。

本ページでは、Tableauの表計算関数の中からよく利用するLOOKUP、RANK、RUNNING関数、WINDOW関数を紹介します。

LOOKUP

LOOKUP関数は現在の行から指定した件数分だけ離れた行の値を返す関数で次のように記述します。

LOOKUP(expression, [offset])

現在の行からoffsetで指定された行にあるexpressionの値を返します。
ターゲット行を特定できない場合はNULLを返します。

スーパーストアのデータを利用した例をみてみましょう。

やってみよう!

年度毎の売上合計の表にLOOKUP関数を用いた計算式を導入してみましょう。

以下のようなLOOKUP関数を用いた計算式を計算フィールド定義して「LOOKUP」という名称で作成します。
表計算関数LOOKUPを利用した計算
データペインの「年(オーダー日)」を行、メジャーネームを列、メジャーバリューをマークのテキストにドラッグ&ドロップします。
表計算関数LOOKUPを利用した計算式の結果
LOOKUPは1つ前の行、すなわち昨年度の売上が参照されていることが分かります。

今度は作成したビューの「年(オーダー日)」を降順にソートしてみます。
表計算関数LOOKUPを利用した計算式の結果
今度は翌年の売上が参照されるようになりました。
計算式を変更しなくても、このような値の参照が可能になります。

さらによくある対前年度成長率も集計できます。

やってみよう!

年度毎に売上の対前年度成長率を計算してみましょう。

前年の値と比較した売上の成長率は「(今年度売上-前年度売上)/前年度売上」で計算します。
以下のようにLOOKUP関数を用いて成長率の計算式を定義して「YOY」という名称で作成します。
表計算関数LOOKUPを利用したYOYの計算

合計を求める関数SUMとNULL値の判定をする関数ZNを併用しています。

計算結果を確認してみましょう。
データペインのに「年(オーダー日)」を行、メジャーネームを列、メジャーバリューをマークのテキストにドラッグ&ドロップします。YOYはパーセンテージ表示にします。
表計算関数LOOKUPを利用したYOYの計算結果
売上の対前年成長率が計算されていることが分かります。

RANK

RANK関数は現在の行の順位を返す関数で次のように記述します。

RANK(expression, [‘asc’ | ‘desc’])

現在の行に対してexpressionの値の大きさを比較して順位を返します。値が同一の場合には同一順位が割り当てられます。
昇順を指定する場合はオプションを ‘asc’に、降順を指定する場合は‘desc’を指定します。特に指定しなければデフォルトで降順になります。集計の際はNULL値は無視されます。

スーパーストアのデータを利用した例をみてみましょう。

やってみよう!

顧客の売上ランキング表を作成してみましょう。

売上ランクの計算式を計算フィールド定義して「RANK」という名称で作成します。
表計算関数RANKを利用した計算

計算結果を確認してみましょう。
データペインの「顧客名」を行、メジャーネームを列、メジャーバリューをマークのテキストにドラッグ&ドロップします。「売上」順にソートすると以下の表が完成します。
表計算関数RANKを利用した計算式の結果
売上に応じて顧客がランキングされた表が作成されました。

RANK関数では値が同一の場合には順位が同じになります。ユニークな順位を計算したい場合にはRANK_UNIQUE関数を利用します。

RANK_UNIQUE関数を利用したチャートに順位変動を表すバンプチャートが挙げられます。以下のページで作成方法を紹介しています。

YouTubeでも紹介していますのでぜひご視聴ください。

RUNNING関数

RUNNING関数は最初の行から現在の行までの集計値を返す関数です。

RUNNING_fx(expression)

パーティション内の最初の行から現在の行までを対象にfxの集計方法でexpressionの集計値を返します。
fxには合計値を返すSUM、平均値を返すAVG、最大・最小値を返すMAX・MIN等の関数を指定することができます。

スーパーストアのデータを利用した例をみてみましょう。

やってみよう!

毎月の売上の累積平均の表を作成してみましょう。

売上の累積平均の計算式を計算フィールド定義して「RUNNING_AVG」という名称で作成します。
RUNNING_AVG関数を利用した計算式を作成

計算結果を確認してみましょう。
データペインの「オーダー日」を行にドラッグ&ドロップして年と月を設定します。

ビューの表に「売上」と作成した「RUNNING_AVG」をそれぞれドラッグ&ドロップします。
TableauでWINDOW_AVG関数の利用
表の数値を見てみると、例えば2016年6月のRUNNING_AVGの値は以下のように2016年1月から6月までの売上の平均値になっていることが分かります。
毎月の売上と累積平均の表

WINDOW関数

WINDOW関数は指定する範囲における集計値を返す関数です。

WINDOW_fx(expression, [start, end])

現在の行から指定したstartだけ前の行からendだけ後ろの行までの範囲で、fxの集計方法でexpressionの集計値を返します。
fxには合計値を返すSUM、平均値を返すAVG、最大・最小値を返すMAX・MIN等の関数を指定することができます。

スーパーストアのデータを利用した例をみてみましょう。

やってみよう!

毎月の売上に前後1ヶ月を加えた合計3ヶ月の移動平均の表を作成してみましょう。

前後3ヶ月間の売上合計の平均値を計算する式を定義して「WINDOW_AVG」という名称で作成します。

計算結果を確認してみましょう。
データペインの「オーダー日」を行にドラッグ&ドロップして年と月を設定します。

ビューの表に「売上」と作成した「WINDOW_AVG」をそれぞれドラッグ&ドロップします。

表の数値を見てみると、例えば2018年6月のWINDOW_AVGの値は以下のように2018年5月から7月までの3ヶ月間の売上合計の平均値になっていることが分かります。
TableauでWINDOW_AVG関数の利用

本ページではTableauの表計算関数の中からよく利用するLOOKUP、RANK、RUNNING関数、WINDOW関数を紹介しました。

タイトルとURLをコピーしました