Tableauでは様々なデータを同時に比較することができるダッシュボードを簡単に作成することができます。
定期的に確認したい数値やチャートがある場合には、ひとつのダッシュボードにまとめておくと非常に便利です。ダッシュボードは様々なオブジェクトをレイアウトすることによって作成されます。限られたスペースに伝えたいことを分かりやすく掲載する必要があります。
本ページでは、ダッシュボードにオブジェクトを見やすく配置するためのサイズとレイアウトの設定・調整方法、網掛けや背景画像を利用した装飾方法を紹介します。
10分以下でダッシュボードのレイアウトが分かる動画も公開していますので併せてご覧ください。
ダッシュボードのサイズ
ダッシュボードのサイズは「固定サイズ」「範囲」「自動」のいずれかを指定することができます。
「固定サイズ」は幅と高さを指定することがきます。
「範囲」は最小サイズと最大サイズを指定することができ、表示側のウィンドウサイズに応じて拡大・縮小表示されます。
「自動」はサイズが自動的に設定され、表示側のウィンドウ全体に表示ます。
ダッシュボードを大人数で共有する場合に、固定サイズを選択しておけば表示スピードが比較的速く、見る側のデバイスによって表示が崩れる危険性が低くなります。
固定サイズには、以下のように様々なサイズの選択肢が用意されています。また、1ピクセル刻みで任意のサイズを設定することもできるので、利用者のデバイスに応じてサイズを設定するとよいでしょう。
もしひとつのサイズに決めかねるようであれば、高さ対幅が1:1.618の黄金比に則って、高さ600x幅971、高さ800x幅1294、高さ1000x幅1618等の設定をするというのもひとつの手です。
ダッシュボードのレイアウト
ダッシュボードは様々なオブジェクトをレイアウトすることによって作成されます。縦・横方向にオブジェクトを並べたり、オブジェクトを重ねたりして表示することができます。
水平方向、垂直方向
オブジェクトを横に並べたい場合には水平方向、縦に並べたい場合には垂直方向のコンテナを利用します。
オブジェクトを横に並べたい場合は以下のようにします。
ます最初に水平方向のコンテナをダッシュボードにドラッグ&ドロップします。
次に、そのコンテナの中に並べたいシートをドラッグ&ドロップしていきます。
すると以下のようになります。
シートが横に並びました。
本例はTableau Publicにも上げています。
オブジェクトを縦に並べたい場合には以下のようにします。
最初に垂直方向のコンテナをダッシュボードにドラッグ&ドロップします。
次に、そのコンテナの中に並べたいシートをドラッグ&ドロップしていきます。
すると以下のようになります。
シートが縦に並びました。
本例はTableau Publicにも上げています。
さらにオブジェクトを多段のレイアウトにしたい場合にもコンテナを利用するときれいに配置できます。
例えば2段のレイアウトを作成してみましょう。
まずは縦方向からみていきます。2段なので垂直方向のレイアウトコンテナをダッシュボードにドラッグ&ドロップします。
1段目から作成します。
シートを横並びで複数入れたいので、水平方向のコンテナをダッシュボードにドラッグ&ドロップして、その中に並べたいシートをドラッグ&ドロップします。
今度は2段目を作成します。
1段目と同様、シートを横並びで入れたいので水平方向のコンテナをドラッグ&ドロップして、さらにそのコンテナの中に並べたいシートをドラッグ&ドロップします。
2段のレイアウトになりました。
このようにして3段や多段レイアウトのダッシュボードを作成することができます。
本例はTableau Publicにも上げています。
浮動
ダッシュボードでは基本的にオブジェクトを並べたレイアウト表示にしますが、場合によってはオブジェクトを重ねて表示したい場合があるかと思います。
そのような場合には「浮動」を利用します。浮動に設定すると、オブジェクトを任意の位置に移動させることができます。
例で説明します。
利益の凡例を地図の下に表示するように設定してみます。
まず動かしたいオブジェクトを選択、右上にある「▼」をクリックしてリストから「浮動」を選択します。
するとオブジェクトが好きな位置に移動可能な状態になります。
マウスでドラッグして地図の右下に移動します。
このように、凡例は浮動で位置を調整してグラフの近くに表示すると見やすくなります。
本例はTableau Publicにも上げています。
テキストや画像、ボタン、シートなど様々なオブジェクトを浮動で任意の位置に移動させることが可能です。
レイアウトの微調整
オブジェクトをレイアウトした後に微調整するとさらに見やすいダッシュボードになります。
そのための方法をいくつか紹介します。
位置調整
レイアウト時に挿入したオブジェクトがコンテナより大きい場合に、Vizの一部が欠落して表示されることがあります。
そのような場合には、自動調整機能を利用してVizがコンテナ内に収まるように設定します。
設定はツールバーの「自動調整」のリストで行います。
ダッシュボード上で挿入したオブジェクトの横にスクロールバーが表示されていれば「幅を合わせる」、縦にスクロールバーが表示されていれば「高さを合わせる」を選択するとよいでしょう。
どちらにも対応したければ「ビュー全体」を選択します。
例えば、以下のようにチャートの右側が欠損しているダッシュボードを考えましょう。
チャート全体が収まるように表示したいので、オブジェクトを選択してツールバーの自動設定機能から「ビュー全体」を選択します。
するとスクロールバーが消えてチャート全体が表示されるようになります。
余白(パディング)
オブジェクトやシートの間に余白を入れた方がより見やすいダッシュボードになると言われています。
オブジェクトを選択して、外側に余白を入れたい場合は「外部パディング」、内側に余白を入れたい場合は「内部パディング」を設定すると余白を入れることができます。
パディングを設定した場合を比較してみます。
黄色のオブジェクトの外側にサイズ5の余白を設定してみます。
▼外部パディング5
黄色のオブジェクトの外側にサイズ5、内側にサイズ10の余白を設定してみます。
▼外部パディング5、内部パディング10
余白を入れると立体的なデザインになり、見やすく洗練されたダッシュボード作成に応用できそうな予感がします。
ダッシュボードの装飾
ダッシュボードの枠や色遣い、背景などの装飾もちょっとした変更でさらに見やすいダッシュボードになります。
いくつかの設定方法を紹介します。
枠線と網掛け
ダッシュボード上のオブジェクトに枠を入れたい場合はレイアウトタブの「枠線」で設定します。
線の色や太さ、種類を設定できます。
ダッシュボード上のオブジェクトを網掛けしたい場合はレイアウトタブの「バックグラウンド」で設定します。
例えばシートを青色の中太の実線で囲み、凡例をグレーに設定すると以下のようになります。
背景と透過
ダッシュボードの背景を独自画像に設定することもできます。
以下に設定方法を紹介します。
まずダッシュボードに画像を配置します。
オブジェクトの「イメージ」をダッシュボードにドラッグ&ドロップして編集ウィンドウで画像を選択します。
画像が挿入されました。
ペインの下の「浮動」を選択した後に、表示したいシートをダッシュボードの任意の位置にドラッグ&ドロップします。
ここからシートを透過する設定をします。
シートを右クリックしてリストから「書式設定」を選択します。
書式設定で「網掛け」をクリックして、ワークシートを「なし」に設定します。
シートが透過されて背景画像と一体化された表示になりました。
本例はTableau Publicにも上げています。
本ページでは、ダッシュボードのサイズとレイアウトの設定・調整方法、網掛けや背景画像の利用等の装飾方法を紹介しました。