Tableauには、ディメンションを指定して集計する3種類の関数(FIXED、INCLUDE、EXCLUDE)が用意されています。
本ページでは、INCLUDE
の応用例として、売上がある設定金額を超える顧客数の推移を年毎に表示するグラフを紹介します。
商品の売上の大部分を一部の優良顧客が産み出している現象はよく見られることで、企業にとっては優良顧客を育てていくことが重要になります。優良顧客の定義は色々ありますが、例えば一定期間の売上が高額である顧客と定義することができます。
LODのINCLUDE
を利用すると、売上が設定金額を超える顧客数が年毎にどのように推移しているかを表示するグラフを簡単に作成できます。
実際にスーパーストアのデータを利用して作成してみたいと思います。
【完成イメージ】
以下のようなVizを作成します。
毎年の売上が10万円を超える顧客数が表示されています。基準の購買額がパラメーターで任意に設定できるようにもなっています。
こちらのVizはTableau Publicからダウンロードできます。
【作成方法】
- データペインの「オーダー日」を行にドラッグ&ドロップします。
- 年度毎に顧客ひとり当たりの売上が一定額を超える人数を計算します。
まずは年度毎の顧客ひとり当たりの売上の計算からです。
「年」が既にVizに設定されていて、さらに「顧客」という集計軸を追加して売上合計を計算するのでINCLUDE
を利用します。
以下の計算式を定義して「IN_顧客の売上合計」という名前で保存します。
顧客ひとりあたりの売上が10万円(一旦の設定)を超えたら1、そうでなければ0を返す式を定義して名前を「高額購買者」として保存します。
上記2つの計算式をまとめてひとつの計算式で以下のように設定することも可能です。
確認のため両方の計算結果を表示してみます。
どちらも同じ値になっていることが分かります。 - データペインの「IN_高額購買者」を列にドラッグ&ドロップします。
毎年の売上が10万円を超える顧客数が表示されるようになりました。 - 最後に基準の購買額を任意に設定できるように変更してみます。
以下のように「購買額の設定」という名前のパラメーターを作成します。
「IN_高額購買者」の計算式を、10万円からパラメーターに置き換えます。
パラメータを表示させると以下のようなVizになります。
パラメーターの動作を確認してみます。
目標金額を50万円に設定すると、以下のようにグラフが変わりました。
本ページではINCLUDE
の応用例として、売上がある設定金額を超える顧客数の推移を年毎に表示するグラフを紹介します。