Tableauには、ディメンションを指定して集計する3種類の関数(FIXED、INCLUDE、EXCLUDE)が用意されています。
本ページでは、それらの3種類の関数のうちINCLUDEに関して基本的な考え方と構文、動作例を紹介します。
基本的な考え方
INCLUDEはディメンションを指定して集計することができます。
一見FIXEDと同じに見えますが、同じではありません。FIXEDと違う点は、集計のレベルの範囲です。FIXEDは指定したディメンションに限定して集計を実行するのに対して、INCLUDEはチャートのLODに指定したディメンションを含めて集計する点が異なります。
FIXEDの基本は下記のページで解説しています。
以下では、INCLUDEの記述方法とFIXEDとの違いを比較した動作例を紹介します。
記述方法
INCLUDEは次のように記述します。
{INCLUDE <フィールド名> : <集計式>}
INCLUDEはチャートのLODに加えて、<フィールド名>にて指定したディメンションも使用して計算します。指定するディメンションが複数ある場合は、<フィールド名>にコンマで区切って指定します。
例えば「地域」別に集計されたチャートに「各地域のカテゴリ別の売上合計」を入れたい場合には、
{INCLUDE [カテゴリ]: SUM([売上])}
と書きます。
あるいは「カテゴリ」別に集計されたチャートに「各カテゴリにおける顧客区分毎の売上平均」も追加したい場合には、
{INCLUDE [顧客区分]: AVG([売上])}
と書きます。
動作例
スーパーストアのデータを利用して簡単な例を見ていきましょう。
各地域のカテゴリ別売上平均を表す表にINCLUDEとFIXEDを導入して結果を比較してみましょう。
まずはINCLUDEの計算式を作成します。
「カテゴリ」をレベルに指定して売上平均を計算する式を定義して、「IN_カテゴリの売上平均」という名称で作成します。
地域毎の売上平均の表に上記の計算式を追加してみます。
データペインの「地域」を行、「メジャーネーム」を列、「メジャーバリュー」をマークのテキストにそれぞれドラッグ&ドロップします。
メジャーバリューを売上とINCLUDEの計算式の2つに絞り込んで表をシンプルにします。
INCLUDEの集計結果は、チャートのLODの「地域」にさらに「カテゴリ」を加えた各地域のカテゴリ別売上平均の合計値になっています。
では今度は「カテゴリ」を列に追加してみましょう。
すると今度はカテゴリ内で左右の数値が一致しました。
左側の平均売上(AVG([売上]))は、表の集計軸が「地域」と「カテゴリ」になったため各地域のカテゴリ別売上平均を計算するように変更されました。また右側のINCLUDE文は、表の集計軸に「カテゴリ」が追加されることによって以前の各地域のカテゴリ別売上平均の合計値から各地域のカテゴリ別売上平均に変わりました。このようにして左右の数値が一致したわけです。
FIXEDの計算結果とも比較してみましょう。
「カテゴリ」をレベルに指定して売上平均を計算する式を定義して、「FX_カテゴリの売上平均」を作成します。
そして作成した指揮をメジャーバリューにドラッグ&ドロップします。
FIXEDの計算結果は各カテゴリ内では同一の値になっていることが分かります。FIXEDではチャートのLODに関係なく指定したレベルで計算されるので、表の集計軸の「地域」は無視され指定した「カテゴリ」別に売上平均が集計されるためです。
チャートのLODにディメンションを加味して、より細かい粒度で分析したい場合にINCLUDEが役立ちます。
本ページでは、INCLUDEに関して基本的な考え方と構文、動作例を紹介しました。

