Tableauの強力なマッピング機能を利用すると、地図上にデータが表示された魅力的な地図容易に作成することができます。
本ページでは、フローマップあるいはパスマップと呼ばれる対象の軌跡を表示するマップをTableauで作成する方法を紹介します。
フローマップ
フローマップは飛行機や船舶、鉄道等の運行経路、台風の経路といった地理的に移動する対象を表示する場合に適しています。
実際に気象データを利用した地図を作成してみます。
【完成図】
以下のようなVizを作成します。
データの準備
気象庁が公開している2019年に日本近海で発生した台風の位置データを利用します。気象庁台風位置表(2019年)にアクセスしてcsv形式のファイルをダウンロードします。
ファイルの中身を見てみると以下のようになっています。
6時間毎に観測された台風の位置と規模に関するデータで、日付、時間、名前、位置(Latitude, Longitude)、気圧(Pressure)、風速(Wind Speed)等が記録されていることが分かります。
フローマップを作成
以下の手順で作成します。
- 手順1データを地図上にプロット
- 手順2シンボルを経路に変換
- 手順3外観を調整
1. データを地図上にプロット
Tableauを起動して「接続」-「テキストファイル」 を選択、ダウンロードしたcsv形式のファイルを読み込みます。
データが正しく読み込まれているようです。「Longitude」と「Latitude」が地理的データとして認識されていることが分かります。
データペインの「Longitude」を列に、「Latitude」を行にドラッグ&ドロップします。
ビューに地図が表示されました。
台風毎にプロットをするので、データペインの「Name」をマークの詳細にドラッグ&ドロップします。
データに存在するすべての台風がプロットされました。
2. シンボルを経路に変換
次は地図上にプロットされたシンボルを経路として表示していきます。
マークのタイプを線に変更します。
するとすべてのシンボルを結んだ線になりました。
日付と時刻に関するフィールドを見ると、「year」「month」「day」「time(UTC)」がそれぞれ年月日と時刻を表しています。今後の計算のし易さを考えて、これらをまとめた年月日時間のフィールドを新たに作成することにします。
以下のように関数を定義して「YMDHMS」という名称で計算フィールドを作成します。
例えば「year」が「2018」、「month」が「12」、「day」が「31」、「time(UTC)」が「6」の場合には「YMDHMS」の値は「2018/12/31 6:00:00 」になります。
作成した計算フィールドをマークのパスにドラッグ&ドロップします。
ドロップされた計算フィールドの集計単位が「年」になっています。時間単位の経路を表示するには、これでは粒度が粗いので、詳細レベルを時間にします。
マークに入っている「年(YMDHMS)」を右クリックして、リストから「正確な日付」を選択します。
すべての台風の経路が表示されるようになります。
フローマップの基本形ができました!
3. 外観を調整
変化する風速を線の太さで表現したいので、「Wind Speed」を「マーク」の「サイズ」にドラッグ&ドロップします。
台風毎に色を変えてみます。「Name」を「マーク」の「色」にドラッグ&ドロップします。
ヒートマップの完成です!
2019年は8件の台風が日本に上陸したこと、最強台風は10月に東京を直撃した台風(HAGIBIS)や9月に房総半島を襲った台風(FAXAI)だったこと等を確認することができます。
本ページではフローマップあるいはパスマップと呼ばれる対象の軌跡を表示するマップをTableauで作成する方法を紹介しました。