Tableauの強力なマッピング機能を利用すると、地図上にデータが表示された魅力的な地図を容易に作成することができます。
本ページでは地図のスタイルを変更する方法を紹介します。
スタイル変更には大きく以下の2つのやり方があります。
- バックグラウンドマップ機能を利用
- 外部の地図を利用
前者はTableauに標準で用意されたバックグラウンドマップ機能を利用してスタイルを変更する方法で、後者は外部の地図を利用してスタイルを変更する方法です。
バックグラウンドマップを利用
Tableauにはバックグラウンドマップのスタイルとして以下が用意されています。
- 明るい(デフォルト)
- 標準
- 暗い
- ストリート
- アウトドア
- サテライト
それぞれどんな外観なのでしょうか?
実際にあるシンボルマップのスタイルを様々に変更してみて、どんなふうに地図が変わるのかを見ていきましょう。
今回は以下のようなマップを利用します。
平成30年度に東京都品川区で起きた負傷事故を地図上にプロットしたものです。ちなみにデータは品川区オープンデータのサイトからダウンロードできます。
この時のマップスタイルは「明るい」に設定されています。Tableauのデフォルトの設定です。
標準
次はスタイルを「標準」にしてみます。
メニューから「マップ」-「マップレイヤー」を選択、バックグラウンドのスタイルを「標準」に設定します。
海域の色や緑地、道路の色が変化して識別しやすくなりました。
暗い
今度はスタイルを「暗い」にしてみます。
「マップレイヤー」のペインにて、バックグラウンドのスタイルを「暗い」に設定します。
背景色が暗くなってクールな印象のマップになりました。
ストリート
スタイルを「ストリート」に変更してみます。
「マップレイヤー」のペインにて、バックグラウンドのスタイルを「ストリート」に設定します。
道路や緑地、海域がカラフルに描かれるようになりました。
幹線道路沿に事故が発生していることもはっきり分かります。
アウトドア
次は「アウトドア」です。
「マップレイヤー」のペインにて、バックグラウンドのスタイルを「アウトドア」に設定します。
ストリートとほとんど変わりません。
山地と平野など土地の高低がはっきり描かれるスタイルようですが、都会のマップだとあまり分かりませんね。
サテライト
最後は「サテライト」です。
「マップレイヤー」のペインにて、バックグラウンドのスタイルを「サテライト」に設定します。
衛星写真の背景になりました。
以上のようにTableauに標準で用意された様々なスタイルに変更することで、外観をカスタマイズすることができます。スタイルひとつで外観が劇的に変わることが分かりました。
外部の地図を利用
Tableauでは、外部の地図サービスで作成したスタイルを利用することもできます。
本ページでは代表的な地図サービスのひとつ「Mapbox」を利用して地図を作成し、それをTableauの地図として利用する方法を紹介します。
Mapboxにはデフォルトで以下のスタイルセットが用意されています。
- ベーシック(basic):Mapbox基本形、主要な道路や建物を表示。
- サテライト(satellite streets):衛星写真データ。
- ストリート(streets):道路や建物などの地理データを詳細に表示。
- アウトドア(outdoors):山や川等自然環境データおよび主要な道路を表示。
- ナビゲーション(Navigation):幹線道路を中心に詳細に表示。
このうち「サテライト」「ストリート」「アウトドア」の3つに関しては、Tableauに標準で搭載されていますのでバックグラウンドマップからスタイルを設定することができます。
Tableauに組み込まれたスタイルだけでは足りない場合に、Mapboxのサイトで地図を編集して独自の加工を加え、Tableauの地図として利用するとよさそうです。
また、Mapboxを利用するメリットとしては、Mapboxのアカウントを持っていないユーザであっても、Mapboxマップを使用したVizを表示することができる点が挙げられます。
では実際に手を動かしてやってみたいと思います。
手順は以下の2ステップです。
- 手順1Mapboxで地図を作成
- 手順2Tableauで利用
1. Mapboxで地図を作成
まず始めにMapboxにログインします。
初めてであればアカウントを作成してからログインします。
ログインできたら「New Style」をクリックします。
様々なスタイルを選択できるので、新しく地図に利用したいスタイルを選択してカスタマイズボタンをクリックします。
「mapbox studio」と呼ばれるエディタ機能が開きます。
左にある様々なコンポーネントを利用して、選択したスタイル上に新たな地理情報を追加したり色を変更することができます。
今回は以下のような道路が目立つマップに編集してみました。
編集を終えたら、右上の「Share」をクリックします。
共有設定の画面になるので、「Develop resources」で「Third party」をクリックして、ドロップダウンメニューで「Tableau」を選択します。
最後に「Integration URL」の右側のコピーボタンをクリックして、URLをクリップボードにコピーします。URLは後ほどTableauに地図を指定する際に必要になります。
これでMapboxで作成した地図をTableauで利用する準備が整いました。
2. Tableauで利用
次はMapboxで作成した地図をTableauのバックグラウンドマップに設定します。
メニューの「マップ」から「バックグラウンドマップ」-「マップの管理」を選択します。
「マップサービス」画面で「追加」ボタンをクリックして、-「Mapbox マップ」を選択します。
「Mapbox マップの追加」画面で「スタイルの名称」に任意の名称を設定し、「URL」にMapboxのサイトでコピーしたURLをペーストします。
するとその下の「APIアクセストークン」「ユーザ名」「スタイルID」が自動的に発行されるので、OKボタンをクリックします。
設定した名称が追加されていることが確認できました。
いよいよ追加したMapboxマップをビューに貼り付けます。
メニューの「マップ」から「バックグラウンドマップ」をクリックして、設定した名称を選択します。
無事完成しました!
ちなみに以下は平成30年度に発生した品川区の交通事故プロットした地図です。
以上のようにMapboxマップを利用してTableauのマップの外観をカスタマイズすることができます。オリジナルなマップが必要な時はMapboxマップで加工してみるとよさそうです。
本ページでは、バックグラウンドマップ機能と外部の地図を利用したスタイルの設定方法を紹介しました。