Tableauには、ディメンションを指定して集計する3種類の関数(FIXED、INCLUDE、EXCLUDE)が用意されています。
本ページでは、FIXEDを利用した新規顧客数の分析方法を紹介します。
マーケティングや営業活動において新たに顧客を獲得し市場を広げたい場合には、新規顧客数が重要な指標のひとつになります。新規顧客の購買特徴に関する分析もFIXEDを用いれば簡単に実現できます。
スーパーストアのデータを利用した例題をみていきましょう。
【完成イメージ】
以下のようなVizを作成します。
縦軸が新規顧客数、横軸が日付を表し、地域毎に累計新規顧客数の推移を表すグラフが描かれています。
こちらのVizはTableau Publicからダウンロードできます。
【作り方】
今回求めたい「新規顧客数」はどのように集計したらよいでしょうか?
各注文が顧客の初めての注文か2回目以降の注文かを判定できれば、「新規顧客数」をカウントすることができそうです。
顧客にとっての初めての注文日は顧客毎に集計する必要がありますが、実はこれもFIXEDを利用すると容易にできます!
やってみましょう。
まずは顧客毎に注文の中で最も古い日付の注文(初回購入日)を特定します。
顧客毎に「オーダー日」の最小値を求める式を定義して、「FIXED 初回購入日」という名称で保存します。
念のため、作成した式が正しく計算しているかどうか結果を表示して確認します。
顧客毎に最も古い日付が得られているので大丈夫そうです。
初回購入日が特定できたので、すべての注文が初めての注文か2回目以降の注文かを示すフィールドを作成します。
注文日が初回購入日であればその注文は初めての注文と考えられるので、「オーダー日」と比較した判定式を定義して、「新規or既存」という名称で保存します。
正しい計算になっているのかどうか確認します。
たしかに最も古い日付の注文が「新規」と判定されています。
準備ができたのでVizを作成していきます。
データペインの「オーダー日」を列、「顧客Id」を行にドラッグ&ドロップします。
データが多いため警告が出ますが、「全てのメンバーを追加」をクリックして続行します。
行の「顧客Id」を右クリックして現れるリストから「メジャー」-「カウント(個別)」を選択します。
縦軸がユニークな顧客数になりました。
この段階では、日々の顧客数をカウントしたグラフが描かれています。
今回は新規顧客数のみのカウントにしたいので、データペインの「新規or既存」をフィルターにドラッグ&ドロップして、設定ウィンドウで「新規」にチェックを入れます。
さらに、グラフを新規顧客数の累積数にしたいので、行の「個別カウント(顧客Id)」を右クリックしてリストから「簡易表計算」-「累計」を選択します。
以下のように新規顧客の累積の値が表示されました。
最後に地域別のグラフにします。
データペインの「地域」をマークの色にドラッグ&ドロップします。
完成しました。
「九州地方」では、2017年10月ぐらいからグラフがほぼ横ばいになっているので新規顧客数が伸び悩んでいることが分かります。
本ページでは、FIXEDの応用例として新規顧客数の分析例を紹介しました。